〜〜が知っておくべきサイト20選とか、エンジニアなら今すぐフォローすべき有名人とか、いつも釣られてみにいくと全く興味なかったり拍子抜けしたりするわけだが、こういうのが並んでいたらあまりの格の違いに絶望してしまうだろうというものを適当に並べてみた。私が見ているわけではなくて、こうありたいと思っている私の願望である。どちらかというとインフラ系とか基盤系のものに偏っているが、あくまで私が興味ある一連の例だと思ってください。「これが入ってない!」というクレームは受け付けますので、是非教えてください。一緒に成層圏まで意識を高めましょう。
実用的で現実的なリストが見たければ エンジニアが知っておくべき厳選英語Webサイトなど - YAMAGUCHI::weblog をどうぞ、さようなら。
情報サイト、有名ブログ
Software Engineering Radio : IEEEが主催しているソフトウェアエンジニア向けのPodCast。データベースからフロントエンド、暗号、ハードウェア、マイクロサービス、などなどとにかく多様なジャンルの最新のトピックの著名人を連れてきてインタビュー形式でいろいろ語らせるというものだ。とにかく質問が上手くて、全然背景知識がなくても基本的なことから全部説明させる。たとえば、あなたの会社はどのようなビジネスをしていますか?みたいなところから上手く技術的なところに帰着させる(そんあ質問が本当にあったかどうかは忘れた)。基本的に話が上手い人ばかりなので、英会話が苦手な我々でも単語は分かるしノリに慣れればわりとよく聞ける。
The Morning Paper : Adrian Coyler という学生?かな?計算機科学徒が学期中にひたすら毎朝論文を読んでザックリとメモを残していくというブログ。論文のチョイスがいいところを突いていて、適度に深く適度にホット、それでいてたまに古典に戻ったりするので、ああ向こうではきっとオフラインでこういうのずっと話してるんだろうなあと思わせる。これに出てくる論文を我慢して全部読んでいけばかなり広範な知識が手に入るだろう(とはいえ、ひとつの論文をじっくりよんで内容を実装すことも大事なので数こなすだけではダメだ)。
Peter Bailis: Highly Available, Seldom Consistent | Peter Bailis : Peter Bailisという、分散システム界の有名人のブログ。UCBの学生だったのがいつの間にかStanfordでポストを手に入れたぽい。RAMP TransactionとかI-Confluenceとかああいった話は全部ここから来ている。この人を追えばStanfordでも分散システム系の動きは大体追えるんじゃないかっていう気はしている。
The Next Platform : ちょっと変わって普通のメディア。これはまあ適度にナウくてライトで分量もそれなりなので、興味のあまりない話題を適度に拾って「そんな世界もあるんだ〜」と追うのに向いている。
スーパーコンピューティングの将来 : GRAPEを開発したことで知られる牧野淳一郎先生がわりと真面目にコンピュータとかそれに付随する話題について語った一連の文章。非常に読み応えがあるけど更新が少ないので、もっとしっかり追いかけたい人は先生のTwitterを見ておくのがよいだろう。
Aphyr : データベース界に衝撃をもたらしたJepsenを開発した孤高の筋肉野郎Kyle Kingsburyのサイト。彼のおかげで世のデータベースはだいぶ安全になったし、ネットワーク越しの分散が実はとても難しいんだと知った人は多いのではないだろうか。なんか最近はKSPやってるみたいだけど…そういえば彼のTwitterはたまに重要な情報が流れてくるけど、フォローするのはちょっとした覚悟がいる。
All Things Distributed : 言わずと知れたAmazon CTOのブログ。正直AWSの新サービスとかAWSの話はあまり興味はないのだけど、たまに Back to Basics という、CSの古典論文を思い出して読んだメモをここに書くことがあって、それはとても面白いので一応フィードに登録だけはしてある。
Perspectives – James Hamilton's Blog : AWS の実質CTOといわれるJames Hamiltonのブログ。こちらの方が技術的な内容が多い。
https://danluu.com/ : MSやGoogleでエンジニアをやっていたDan Luuという人の記事。コンピューターに関する知識や洞察が非常に深く、とても実用的だけど普段の仕事ではなかなか身につかない、手の届かないかゆいところに届くような知識が沢山書いてある。
企業系
重要なOSSや論文は最近は大学ではなく企業の研究開発機関から出てくることが多くなった。
Facebook Research / Publications – Facebook Research : Facebook Research は深層学習やWebだけでなく、分散システムやネットワークなどのより基礎的な分野でも重要な研究を多く発表して世界をリードしている。個人的にはGoogleのようなチート感もAmazonやMSのような感じもなくていちばん親近感を持っている。
Google Research Blog https://research.googleblog.com : まあ言わずとしれたGoogleの研究成果を発表する場所。計算機科学に関する研究開発は、その質も量も圧倒的に他社を引き離して2周ほど先を行ってる感じがある。本当は Publications の方を直接追いたいんだけど、こっちはRSSがないので…。
Dropbox Tech Blog : SE Radio で出てきたExodus from AWS の話を聞いて購読を始めた。それまでDropboxって大したことしてないのかなあと思っていたけど、PythonだけでなくGoやRustも使いこなして自前で高効率のストレージを構築したというのだから私の目が曇っていたのだった。いちいちセンスがあって感動する。
Netflix TechBlog – Medium : Webサービス界の巨人Netflixの技術ブログだ。話題は多岐にわたりNetflixのサービス運用、配信系、マイクロサービス、OSS、Brendan Greggという、ストリーミングだけでなく高パフォーマンスなシステムを作るのに欠かせない話題が山のように出てくる。
Google Open Source Blog : グーグルがOSSの話を出すところ。Researchと違って実用的だったりインターンの話だったりする。ガチじゃないゆるふわ勢の癒やしになるかも。
Blog - Microsoft Research : MSといえばSurface, Azure, Windows ... といったなんとなくザックリなイメージかもしれないけど、計算機科学の研究としても一流です。私が興味のある分散システムやデータベース、データセンターネットワークについては長い歴史に裏打ちされた面白い発想のものが山のように出てきます。Googleもそうなんだけど、歴史があって昔のことをしっていると、自分たちが考えたことだから簡単に前提を否定してスクラッチから考え直すことができるみたい。
O'Reilly Japan - Books :: New and Upcoming : ちょっと毛色がかわるけど、技術書ならオライリーということで、Twitterで宣伝されるのではなくここで新刊情報を余計なバイアスやフィルターなしで、いち早くみておくとよい。SNS経由の紹介だとポジティブな宣伝も多いけど、宣伝だけ見ていてもダメなので。
トップカンファレンス
ツイッタばかりみてると有益な情報は少なくて密度は少ないですね。えっあなたのFollowがおかしいって?うっ否定はしない。そこで最新の研究をいち早く追うためにトップカンファレンスを見たほうがよい。今メジャーになって普及しているOSSも、こういったトップカンファレンスで登場したものがOSSだったり、OSSで実装が登場したりする。たとえばHadoopだったりMesosだったり、Kubernetesだったり。TensorflowのもとになたDistBeliefは有名なNIPSが初出だ。
SOSP 2017-Symposium on Operating Systems Principles : SOSPはまあそのタイトルの通りOSの基本的なことに関するカンファレンスだけど、まあ割といろいろ広範かな。UsenixとSIGOPSだったとは(今知った)。西暦奇数年の10月くらいにやる。
NSDI '18 | USENIX : NSDIはネットワーク界で不動のトップカンファレンス。誰が何と言おうと文句なしでトップ。
OSDI '18 | USENIX : SOSPがPrincipleなのに対してOSDIはDesign and Implementationsなのでちょっと実装寄りの話が多い、かもしれない。こちらは偶数年の10月に開催なので、OSに関しては理論と実装がとても近い現代、まあ大体ジャンルはかぶっているといえばかぶっている。
USENIX ATC '18 | USENIX : Usenix ATCはまあ言わば全国大会みたいなもんだろうか。とはいえShort paperではなく6ページくらいは書いてある。
Call for Participation | LADIS 2018 : LADIS は巨大システムの運用技術とかの話題が多い。その流れで有名サイトや有名システムの内容がちょろっと出てきたりするのが面白い(だったような)。
SysML Conference : 初回なのに参加者登録が15分で売り切れて、2nd authorがカンファレンスに参加できなくなってしまうほどの大人気カンファレンス、SysML。同名のソフトウェアと論文がI◯Mから出ていた気がするが細かいことは忘れて…機械学習を支えるシステム技術に関するカンファレンス。あー今年の分みなきゃ。まだみてない。
arxiv.org/cs Computer Science authors/titles recent submissions : カンファレンスやジャーナルよりもいちはやく最新の研究成果が集積されることで有名な Arxiv の計算機科学分野の論文たち。これを全部毎日読んだら最強になれると思う。ただし一日あたり100〜300くらい流れてくる。
arxiv.org/cs.DC Distributed, Parallel, and Cluster Computing authors/titles recent submissions : CS全体だとちょっと多すぎるのと分野が散漫になるので、こちらも見て分散システム関係で見落としがないように気を付けている。
arxiv.org/cs.DB Databases authors/titles recent submissions : いまは見てないけど、Arxivのフィードでデータベースまわりに絞るならこちら。ただ機械学習分野と比べて流量は少ないのでDB技術者はSIGMODやVLDBを追う方にリソースを割いた方がいいだろうなとは思う。
その他(もう解説疲れた、みんな知ってるよね?)
- ICME
- EuroSys
- VLDB
- SIGMOD